リターンライダー誕生

2007年7月初旬、ちょっとした臨時収入があったもので、女房に「バイク買っていいかな?」とダメモトで聞いてみたところ、意外にも「好きにすれば」との返事。それでは、。。ということで気の変わらないうちに行動に移したのでした。
今を去ること、約30年まえ、30歳すぎの独身時代にバイクに乗っていたのですが、その後 結婚、子育て。。と重要なイベントに押しやられて、当時もっていたバイクも手放してしまっていたのでした。
まずは、プロローグということで、

 

前史

車歴は、たったの3台です。

1台目はホンダのCB250RS-Zでした。

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単気筒の軽量・スリムなバイクで乗りやすかったのを覚えています。当時の住居の近くのバイク屋で購入したのですが、引き取りに行った日に、バイク屋のオヤジさんが、ヘッドランプのところに貼っていた値段の紙をはがし忘れてくれて、家に帰りついてから、周り中にバイクの値段を宣伝しまくっていたことに気が付いて一人で苦笑いしていたのを覚えています。

2台目がヤマハのSR400でした。

 

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1982年型の限定スポークホイール仕様で、ハンドルとシートが当時のSR500と一緒という、ちょっと変わったモデルでした。1979年にスポークホイール仕様で発売されたSR400/500がすぐにキャストホイール仕様のSR400SP/500SPのみになってしまったので、ユーザからスポーク仕様の復活が望まれて誕生したモデルでした。事故を1回と盗難も1回経験しています。盗難されたときは幸いにも見つかって警察から連絡があり引き取りに行ったのですが、クラッチレバーが折れてしまっており、家に帰ってくるまで、殆どクラッチを使わずにシフトして運転してきたような記憶があります。

3台目は、殆どSRと同時期に所有していたのですが、ホンダのトライアルバイクのTLR200です。

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中古で買ったのですが、バイク屋さんがリヤスプロケットを大きいものに交換してくれて、それこそ歩くのより遅いくらいのスピードから走れました。家の近所の多摩川の土手でトライアルの真似事をしたり、階段を登ったり、家の前の道路で8の字走行したり、スタンディングスティルの練習をしたり、とにかく汗をかくバイクでした。

 

当時はすでに就職もしており、「独身貴族」(この言い方自体が古いですが。。)であったので、結構趣味にお金をつぎ込んでいました。バイクに関しては、結構なブランド物を揃えていました。
GPAのヘルメット

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青色のG1というモデル(フルフェイス)を所有していました。当時は結構流行っていて、シールドもオリジナルより硬くて傷のつきにくい物が販売されていたほどです。さすがに、10年位で経年変化のためかインナーがグサグサになってしまい、廃棄。その後は、SHOEIの紺のジェットヘルにコンペシールドを使用していました。


Krauserのパニアケース

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容量25リットルの Starlet というモデルを所有していました。当時の価格で、ケースが¥45,000、ブラケットが¥15,000 、上野のコミネオートセンターで購入しました。取り付け具合になにか不具合があって、当時和光市にあった「モトコ」に持ち込んだような記憶があるのですが、定かではありません。このケースは、今でもバリバリの現役です。


rukkaの雨具

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当時、かなり高級な部類だったワンピースの雨具です。rukka はフィンランドのブランドで、材質は多分ゴム引きのナイロンではないかと思います。もともとヨット用のウェアのメーカだったと聞いた記憶があります。とにかく濡れません。当時中央高速で河口湖から東京まで3時間くらい雨の中を走ったことがあったのですが、全然濡れませんでした。たたんでしまっておくと、ゴムの匂いが強烈なのがちょっときついですが、この装備もいまだに現役です。色は銀と濃いグレーでなかなかシックだと思います。当時のGPライダーの Barry Sheene のサイン入りのモデルです。


コロナのタンクバッグ

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当時は、タンクバッグといえばコロナしかありませんでした。現在はもうメーカー自体がないようですが、タンクに傷がつくのを嫌って、最後までマグネット式を使わずにバックル式の製品で押し通したとの話です。たしかに、マグネット式は気をつけないとタンクに細かい傷をつけるように思います。帆布製ですので、30年近く経った今では、全体がべたつく感じになってしまい、残念ながら使えず、廃棄しました。 


MARCHALのヘッドランプ

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Krauserのパニアケースと並んで、もう一つのバイク側の装備です。例のネコのマークが真ん中に入っている表面のガラスがストンとフラットになっているヘッドランプです。このランプは廃棄した記憶はないのですが見つかりません。(なので、ロゴだけです)もし見つかれば再び装備したいアイテムではあります。タンクバッグのコロナと同様に今はブランド自体が存在しないのですね。当時は、ハロゲンランプと言ったら、CIBIE か MARCHAL というくらいに流行っていたのに。ちなみに、ハンドルネームのMARCHALは、ここからです。(フランス語だと、「元帥」の意味ですが、そこまで偉くありません)


GOTOのブーツ

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後藤商店というバイク用品屋さんのブランドですが、これも今は無くなっているようです。ふくらはぎの半分くらいまでの丈がある、オンロードブーツです。SR400のキックにちょうどいい硬さのソールと、つま先のプロテクションがちょうどいい感じで、手放せません。後ろ側にファスナーがある点(内側だとバイクに傷がつきやすい)が気に入っています。(今のブーツは意外とない)以前、編上げの靴は、ひもがペダルに引っ掛かって怖い思いをしたので、履く気がしません。
今も現役で使っていますが、防水性は残念ながら皆無なのが不満なところです。


コミネの冬用キルティングつなぎ

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当時は、冬も結構バイク通勤等していましたので、防寒用に購入しました。NARVAというブランドでした。背広をきたうえから、このつなぎを着て、バイクで通勤していました。内側はキルティングになっていて、寒いと感じた記憶はあまりありません。この手の化学繊維系のものは、残念ながら時間がたつと使えなくなってしまうようです。キルティング部分の中綿を抑えている糸が切れてしまって、中綿がなかで寄ってしまっており、廃棄せざるを得ませんでした。


クシタニの革つなぎ

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最後の大物を忘れていました。クシタニの革つなぎです。サーキット走行でもしてみようかな?というノリでクシタニの桜新町店で約¥100,000 で購入しました。つなぎといってもセパレートになるやつで、色は上がグレーで下が紺という結構渋めのものでした。これは、つい先日袖を通してみましたが、残念ながら革がだいぶ縮んでしまったのと、体が太くなってしまったので、全然入りませんでした。再び着れるようになるためには、10キロ以上の減量が必要なようです。(実質無理です)当時は、革つなぎはきつめに着るものという風潮で、サイズは L を選んでしまっていたのが悔やまれます。せめてLLであれば、何とかなったのではないかと思います。たしか、LLのほうに、色も気に入ったのがなかったのだと思います。


バイク選びと、お店探しと

さて、本題に戻って、今回のバイクですが、最近のバイクで乗ってみたいなとおもえるようなものは見当たらず、最初からSR400にきめていました。なんといっても、30年近く前に乗っていたバイクと同じモデルが新車でかえるのですから。。これって、本当にスゴいことだと思います。
まずは、店を探すところからちょっと悩みました。家の近所には仕事の帰りに寄れるようなところにバイクショップは皆無で、もしあったとしても9時10時までOPENしているような店はないだろうということで、結局勤務先の近くで探すことにしました。ちょうど、勤務先からバスで10分ほどのところにYSP八王子があったので、見に行ってみることにしました。
2007年の8月6日月曜日、会社を定時で出て、北八王子のYSP八王子を訪問してみました。バイクショップに入るのは20年ぶり位です。
店長の高橋さんが相手をしてくれたのですが、予算¥500,000くらいでSR400がほしいという当方のリクエストに対して、あまりお勧めできる中古がないとのことで、新車を勧めてくれました。諸費用とか任意保険とかの金額をいろいろ聞いて店を出るころには、ほぼお勧めどおりに新車のSR400購入の線で心が決まっていたようです。店内においてあったYA1カラー(タンクの塗り分けがマルーンと白のアレです。)のSR400になんとなくビビッと来ていた感じもありますが。。
あと、こちらのお店は、バイクガレージということで、短期のバイク預かり業務もやっていて、結構手頃な価格でバイクを預かってくれる点も気に入りました。
その週の金曜日、8月10日に再度YSP八王子を訪問。YA1カラーのSR400を注文してしまいました。


納車まで、うきうき、そわそわ

一番忙しく、また楽しい時期でした。
バイク代金の支払手配のために色々な銀行手続、ナンバー取得のための住民票の取得等の事務的な手続を超特急ですまし、いそいそと用品の調達を開始しました。
8月18日土曜日、上野バイク街まで、ヘルメットを買いに出かけました。
バイク本体の方でちょっと予算オーバーだったので、極力コストを抑えなければならないこともあり、またスッキリしたデザインのジェットヘルがないこともあり、結局「昔ながらのジェットヘル+コンペシールド」というスタイルにしました。
自分用にアライのS70、同乗者用としてショウエイのSR、シールドはSWANS で、全部で¥27000 ですみました。古めのモデルなので色は両方ともシルバーしかありませんでした。できれば青あるいは紺のものが欲しかったのですが、。。。
それにしても、上野に外国製のヘルメットが殆ど見当たらなかったのには、ちょっと驚きました。。。80年代であれば、BELL、AGV、GPA、KIWI、NOLAN、Porsche Design等々の海外物がむしろ主役だったのを思い起こすと、時代の移り変わりを感じてしまいます。
ヘルメットを購入して自宅に帰ったあと、物置を整理していたら、バイクカバーが見つかりました。。。捨てずに取ってあったようです。。。別段ほころびも無いようなので、即、現役復帰と決定しました。

8月20日、月曜日の朝、変な夢を見ました。SRを取り回していて、コケそうになった夢。この頃は夢を見るくらいにホントにウキウキしていました。あと、バイクのミッションって 1down-4up だっけ? 1up-4down だっけ?というところで妙に悩んでしまいました。意外と感覚でしか覚えていないものです。いずれにせよ、乗り始めたら慎重に。。という事ですね。


8月23日 水曜日、仕事の帰りに作業着屋さんで青の布ツナギを購入。昔風に言うといわゆるナッパ服です。もともと通勤にバイクを使うつもりだったので普通の格好の上から着るつもりです。ちょっと失敗しました。後で気がついたのですが、襟がスタンドではなく普通のものを買ってしまいました。風でパタパタパタパタ、すごく気になります。以前も同じようなものを持っていたのですが、破れてしまい廃棄してしまいました。

 

8月25日 土曜日、いよいよ納車日。朝からそわそわ。10時頃に家を出て八王子に着くのが大体12時頃。腹ごしらえをしてイザと言う時に、あれ?手袋がないや!と言う事に気がつきました。慌てて近所にあった100円ショップで超薄いメッシュの手袋を購入。バスで10分ほどでYSP八王子です。


ジャーン!僕のバイクです。YA-1カラーのSR400が待っていました。あれこれ手続きをして2時頃に店を出発。即、スタンドで給油。エンジンがかかるかどうか心配だったけど、何とかクリア。しばらくして、駐車用のロックを受け取った記憶がないのに気がついてYSPに逆戻り。ちょっと道に迷いましたが無事に戻ってロックを受け取り再出発したのが3時頃。ほんの30分くらいでしたが、意外とスムースに乗れていました。ちゃんと体が覚えているんですね。20年以上たっていても。気を取り直して家までのロングドライブ。結局、家に帰りついたのが5時過ぎでした。さすがに久しぶりのバイクの操縦で、左手はやや指がつり気味でした。
家での保管場所ですが、玄関脇の太い木にワンちゃんよろしく繋いでおこうかと思っていたのですが、バイクを見にきたテニス仲間たちの「綺麗じゃない。外じゃかわいそう。」という御意見で車の脇に止めておける事になりました。


次の月曜日、8月27日には「ものは試し」という事で、会社まで通勤してみました。朝の6時半頃に家を出て、八王子のYSPについたのが9時半前。途中で休憩はしましたが、約3時間。片道65kmの長旅でした。YSPにバイクを置かせてもらってバスで会社まで。バイクの事を気にしないでいられるのが助かります。


次の週の日曜日 9月2日には仕事の応援で成田空港近くまでいって来ました。片道98kmで3時間。行きは休憩1回。帰りはノンストップでした。3時間近くノンストップは、さすがにちょっとやりすぎかもしれません。ちょっと身体全体がだるくなっていました。やはり、1時間半に1回くらいの休憩がいいペースのようです。


KRAUSERのパニアケース

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納車時の興奮も一段落して、その週の土曜日9月8日、ずうっと20年近くしまってとってあったkrauserのパニアケースの取り付けに取り掛かりました。取り付け用のアタッチメントをバイクに当ててみると、何処か変です。
あれれ?!よくよく見てみると、アタッチメントの上側のステーは問題ないのですが、下側がうまく合いません。


作業をやめて調べて見ました。
82年モデルの写真と2007年モデルの写真をよくよく見てみると、ライダー用のステップは途中バックステップになったりしましたが、結局同じ位置に戻っています。ところが、タンデムライダー用のステップ(ピリオンステップ)は明らかに位置が違っています。もともとこのアタッチメントの下側のステーはピリオンステップの付け根に固定する様になっていたので合う訳がありません。
さて、どうするか?悩んでしまいました。


解決策はふたつ。
現状のピリオンステップを以前の場所に動かすか?あるいは、モトコに持ち込んで下側のステーだけでも直してもらうか?
ピリオンステップについては、WEBで調べたら¥17,000程で昔の場所に戻すキットが販売されてました。


大分悩みましたが、まずは、モトコに話を聞いてみようという事にしました。仲々スケジュールが合わず、モトコを訪問できたのは9月の20日過ぎでした。
実を言うと、1回行きかけたのですが、途中で何かの拍子でエンストをやらかしてしまい、エンジンをかけるのに1時間くらい四苦八苦した事もありました。現在のモデルはエンジンが温まってからのエンストはものすごくかかりづらいという事を身をもって体験しました。この時はプラグを外してしばらくおいておく事で何とか復活できました。
結局モトコを訪問できたのは、9月の22日でした。大型のザックに取付アタッチメント一式を入れて訪問しました。


相手をしていただいたのが本橋さんご本人、往年(60年代)のGPライダーです。
当方の持ち込んだkrauserの取付アタッチメント、それから持ち歩いていたrukkaの雨具を懐かしがっておられました。お話によると、金属製のアタッチメントはkrauserの中でも初期のものだそうで結構早い時期に強化プラスチック製になってしまったとのことでした。プラスチック製の場合、ここまで長持ちしてくれたかどうか?肝心の費用ですが、¥20,000という事で落ち着きました。パニアケース本体を宅急便で送る事を約束して店を出ました。
パニアケース本体はすぐ翌日コンビニから宅急便で送りました。

9月28日、作業の終了したバイクを引き取りに行きました。バイク本体の下部の黒系のマッシブな部分とマッチしてすごく似合ってます。錆びていたパーツにはメッキもし直してくれていて、新品同様の佇まいでした。モトコのお客さんからもカッコいいとの評判だったそうです。現在のK1Classicはちょっと丸みを帯びすぎですから。
帰りは意気揚々というかルンルンというか、そんな感じで帰宅しました。

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これにて、一連のマイバイクの購入とマイ仕様へのカスタマイズのお話は終了です。