6月半ばに尾瀬を歩いて来ました。
山支度と言えば、靴とザックぐらいでしょうか?
持って行った靴は、30年近く前に購入したGalibier の Super Guide RD 。
当時は山屋の垂涎のまと的な存在の有名な靴でした。当時正価60,000円で、新宿の好日山荘(大ガードからちょっと北にいったところにありましたが、多分今はもうないでしょう-->あとで調べたらまだありました。でも当時の看板は「サンコージツ」だったような気がします。)で24,000円で購入したものです。(訂正です。上記の正価60,000円というのは勘違いで、正価38,000円が正しかったようです。正価60,000円は、同じGalibierでも、冬季用のMakaluという高所用2重靴だったようです。最近見つけた昭和54年のヤマケイ別冊登山用具百科で、判明しました。)
尾瀬に行く前に、大宮の石井スポーツに持って行って、拡幅ができないか聞いてみたのですが、革製の靴の場合、年月が経つとどうしても長さと幅の両方とも縮むとのことで、幅は拡げられても長さはもとには戻らないとのこと。しょうがないので、今回が最後のご奉公のつもりで、そのまま持っていくことにしました。
もう一足、普段履いているミズノのランニングシューズもザックに入れて持っていきました。(アッパーはメッシュで、防水性は皆無です)
ザックは,これも30年近く前のChouinard CH-112という結構大型のザックです。
最近WEBで調べてみたら、今のPatagonia の前身だったのですね。
(これも訂正です。Chouinardのブランドで、日本のクロスター産業という会社がOEM生産していたようです。)
これに家の生ゴミ用の自治体指定の45リットルのポリ袋を二つ。荷物はポリ袋の中に収納してパッキング。(もともとザックの防水性は信用していないし、ザックカバーを購入する必要もなくなるので。。)
このザックですが、結構丈が長く、バイクに乗って背負っていくのにはシートに重さをかけれるのでぴったしでした。
ザック最下部の茶色の部分は、荷室とウエストベルト兼用になっていて、今回はこの部分にランニングシューズを入れていきました。
あと、同じように 30年近く前の山道具で持って行ったのは、雨具です。
その時代のゴアテックスの上下ですが、ブランドは、「シャモア」だったと思います。確か、当時で20,000円位はしたような記憶があります。(購入するのにかなりの決心が必要でした。)縫い目には定期的にシーラントを塗る必要があり、サボると縫い目から水が入ってきてしまったのを記憶しています。
今回の尾瀬は、6月13日(日曜日)出発の3泊4日で
1日目 : バイクで尾瀬戸倉のロッジ長蔵まで。その晩はロッジ長蔵宿泊
2日目 : 鳩待峠から山の鼻、竜宮経由、下田代十字路の第二長蔵小屋まで
3日目 : 第二長蔵小屋から白砂、沼尻経由 尾瀬沼長蔵小屋まで
4日目 : 尾瀬沼長蔵小屋から三平峠、大清水経由 尾瀬戸倉ロッジ長蔵。そこからバイクで自宅へ
という行程でした。
1日目(2010年6月13日)
2010年の6月13日、自宅を出発したのは、朝の9時過ぎだったと思います。国道16号で川越まで行き、川越インターから関越道に乗りました。最初の高坂SAで最初の休憩と給油。バイクの駐車スペースに駐車すると、数台のバイクが次々到着。BMWが3台とDUCATI が1台。。いずれも多少年配のライダー。。(皆さん、大型で操り切れるのかしら? と、要らぬ心配。。)
小休止のあと、スタンドで給油。。(ちょっと、やらかしてしまいました)給油は、問題なく終了したのですが、いざエンジンをかけようと思ったら、かからない。バイクを脇に寄せて落ち着いてキック。。かからない。。。かれこれ30分近く格闘してました。(スタンドのお兄さんに手伝ってもらって、押し掛けまで試しました。。)
いい加減疲れ果てて何の気なしにハンドルを見ると、なんと KILLスイッチがOFFになっているじゃないですか?(>_<;) ONに戻して、キック一発。。あっけなく始動。。。後から考えてみました。。なんでKILLスイッチがOFFになったんだろう?? 多分、スタンドで右側から給油していたので、ホースか、袖で スイッチを引っ掛けたようです。
途中、赤城高原SAで休憩。
10分ほどで、沼田インターから出て、一路尾瀬方面に向かいます。
途中、コンビニで休憩。
戸倉への到着が中途半端な時間になってしまったので、戸倉の蕎麦屋で遅い昼食。
戸倉からちょっと鳩待峠方面に上ったところで、今夜のお宿の「ロッジ長蔵」に到着。
尾瀬戸倉ロッジ長蔵に到着すると、お風呂をすすめてくれました。昨年2009年に新しい公共の温泉ができたそうで、送迎していただけるとのこと。尾瀬ぷらり館というところなのですが、東京電力の資本のようで、結構きれいで気持ちよかったです。暑い中でののバイクツーリングの疲れをしっかり癒すことができました。その日の晩は、雨模様ということで、バイクには持参したバイクカバーをしっかりかけておきました。
そう言えば、食事のあとで休憩室にあった写真集の中に自分が撮って送ったものを発見しました。約30年前の写真(私はその当時長蔵小屋でアルバイトをしていました)なので、ロッジ長蔵の皆さんたちと大盛り上がりしました。
2日目(2010年6月14日)
朝から結構雨が降っていました。
尾瀬戸倉から鳩待峠までのバスをロッジから予約してもらっておいたら、くだりのバスがあるので乗って行ったらとのこと。
ちょっと慌ただしく出発して尾瀬戸倉まで。。
尾瀬戸倉から鳩待峠へのバスは昔と違って方々の施設に寄っていくようになっていて、最終的にはほぼ満席という状態になっていました。鳩待峠に到着した時点では、結構しっかり雨が降っていて先が思いやられましたが、一服した後出発。
昔、通いなれた道でしたが、20分も歩くとすぐに靴が当たるようになってしまい、山の鼻につくころには、踵にけっこう重症の豆ができてしまいました。
事前に履きならすこともせず、ぶっつけ本番で久しぶりに履いたため、靴ひもの締め具合が今一つしっくりせず、踵が靴の中で浮いてしまって豆ができてしまったようです。事前の準備の必要性を実感しました。
山の鼻までくればあとは木道をポクポク歩くだけです。山の鼻を11時ころ出発、竜宮まで2時間くらいかけて、超ゆっくりのペースで歩きました。あっちで休み、こっちで写真を撮り・・という感じです。曇り空で雨は降っていないのですが、周りの山は至仏も鶏鶴も頂上は見えません。
尾瀬ヶ原の向こうには上半身が雲で隠れた燧ヶ岳が見えています。
新しいきれいな木道が続きます。
牛首のあたりです。
晴れていて風がないと、地塘に「逆さ燧」が見えます。
形のよい 水芭蕉が あちこちに見受けられます。
下ノ大堀です。
尾瀬ヶ原では一二を争う有名な撮影ポイントです。晴れていれば、至仏山をバックに水芭蕉という構図が決まります。
竜宮小屋で昼飯という事で山菜そばを頂きました。竜宮小屋を13:30に出発。
竜宮小屋から見晴に向かって少し行くと、群馬県と福島県の県境になります。(竜宮側:群馬県、見晴側:福島県)
見晴(下田代十字路)の山小屋群を見ながら歩を進めます。
竜宮小屋から見晴地区までは、30分くらいで着きました。
宿泊予定の第二長蔵小屋は、一番奥の左側です。やっと、到着です。
懐かしい。。
建物自体は、私の働いていた30年前と殆ど換わっていません。
宿に荷物を置くと、すぐに三条の滝に向かいました。もちろん、靴は持って行ったランニングシューズにはきかえ、これ以上ないというくらいの速足で三条の滝を目指しました。
下田代十字路を北に温泉小屋方面に急ぎます。温泉小屋から平滑の滝までは、殆どが木道で、まだまだ楽でした。
平滑の滝を過ぎると、かなりの悪い道になります。上り下りはもちろん、ぬかるんだところも多々あります。でも、水の多い尾瀬では、水音に癒される気がします。
そうこうする内に、ようやく標識が現れます。
ここから三条ノ滝方面に向かうと、木々の間から轟音とともに滝の一部が見えてきます。
最後に展望台への鎖つきの階段(というよりも梯子)を降りると、三条ノ滝の展望台です。
結構山道もあったので、かなりの時間がかかり目的地に着いたのは15時40分くらいでした。
季節的にも水量の多い時期とあって、堂々たる滝でした。
かなりの達成感と感動がありました。
小屋の夕食が17時過ぎからということもあり、あまりゆっくりもしていられず、16時には帰路に着きました。
帰りも同様の速足でしたが、さすがに途中の温泉小屋では一服しました。
木道の脇には、形の良い小ぶりの水芭蕉が気分を和ませてくれます。
17時には第二長蔵小屋に帰りつくことができました。
この往復の間、出会ったのは女性2人のみで、しかも私のあとから滝に向って行ったので時間が平気なのか心配になるほどでした。
小屋の夕食を取った後、昔からあった弥四郎小屋の本格コーヒーを飲みに行きました。
ご主人はおられなかったのですが、奥様とお話をすることができました。多分、昔お会いした時は殆ど新婚だったようなお話でした。
宿に戻り、例によって時間で区切られたお風呂に入って、その晩は眠りにつきました。
3日目(2010年6月15日)。
翌朝、6時頃には目が覚めて小屋の廻りを散歩。昔と同じ景色に妙に感動。
天気は曇りですが、これもまた落ち着いた雰囲気で、好きです。
向いの原の小屋の奥さんが病気とかで営業していないのがちょっとさみしい感じでした。
今日の行程は沼の長蔵小屋までなので、のんびりできます。
足のマメがひどい状況だったのですが、一応革靴の方を履いて出発。
白砂湿原に出るまでの登り道が意外と荒れていたので、泥よけという意味では結構正解でした。でも久しぶりの登り道は意外とキツく感じました。途中で年配の集団(多分ガイドが一人ついていたような)に追いつかれたり離したりしながらの道程でした。
ところどころに、まだ雪が残っています。
空は晴れてきました。
白砂峠到着。
白砂峠から、最後の岩だらけの急な下りを降りきると、白砂湿原です。
水芭蕉の群生が出迎えてくれます。
白砂湿原に出ると、残りはもうわずかです。
左手に燧ケ岳の上部が見えてきます。
木道を右折すると、沼尻の休憩所です。
ここで食べたドーナツは疲れた体に美味しかったです。
沼尻休憩所からの景色は、何かリラックスさせてくる景色で、落ち着きます。
沼尻からもうひと頑張り。尾瀬沼畔の長蔵小屋に向けて出発です。
尾瀬ヶ原より標高が高いせいもあり、水芭蕉の群生がそこかしこに見られます。
右手に尾瀬沼を見ながら小高い丘を越えると、沼山峠からの木道に合流します。
すぐに、沼畔の長蔵小屋が見えてきます。
昼前後は天気も良かったので、小屋を通り越して三平下まで足を伸ばしてみました。雲は多いながらも頂上まで見えている燧ヶ岳を右手に見ながら歩いて行きました。道すがら写真を撮ったりしながらのんびりと散策です。
やはり尾瀬ヶ原より標高が高いせいか、まだ形の良い水芭蕉がそこここに見受けられました。また、この時期(6月半ば)桜が咲いているのですね。ちょっと驚きました。
三平下の山小屋と休憩所です。
折り返して、長蔵小屋に戻ります。
夕食が5時頃で、それから風呂に入って、夕暮れ時の景色を眺めて...とのんびりしている内に雨が降ってきてしまいました。床に入る頃には本降りになってしまいました。明日の下山が思いやられます。
三平峠ルートは結構時間がかかりそうなので、朝食はおにぎりを頼んでおきました。
4日目(2010年6月16日)
朝04:30に起床。
しばらく悩みましたがランニングシューズで行く事にしました。05:30 暗い中、かなりの雨の中を出発です。
傘をさす気はしないので、帽子をかぶりました。
三平下、06:00。三平峠、06:30。ここで尾瀬ともお別れです。あとは、結構荒れた道あり、木道あり、階段あり、のバラエティに富んだ結構歩きにくい道でした。途中ですれちがったのは5組位でしょうか?ようやく一の瀬の休憩所に着いたのが 07:15。
持って行った雨具が殆ど防水できておらず、下着までビッチョリ。2~3分も休んでいると震えが来るほどでした。おにぎりを頬張りながら出発。大清水に着いたのが 08:15頃 でした。
この間、カメラを取り出す気にもならない本降りでしたので、下山時の写真はありません。
売店は09:00からのようで、どこも開いていません。そのうち、びしょ濡れになった体が冷えてしまい、震えが来るようになってしまいました。たまたま近くに身障者用のトイレがあったので、場所を借りて下着から全て着替える事ができ、やっと人心地をつく事ができました。そうこうしている内に、売店も開き暖を取る事もできました。
驚いた事に、つい先程まであれほど降りしきっていた雨が止み、空は一面の青空になっています。
売店で暖かいコーヒーを飲み、何気なしに壁の掛時計をみると、自分の腕時計と時刻が違っています。なんと、腕時計のほうは水が入ってしまったようで、止まっていました。
気がついて良かったです。もう少し気づくのが遅かったら戸倉行きのバスをミスってしまうところでしたから。
戸倉行きのバスに乗って、20分くらいで戸倉に着きました。そこからバイクの置いてあるロッジ長蔵までは歩きです。1/3位いったところのバス停で一休みしていたら、切符売場のおばさんから声がかかり、「どこまで行くの?」。「ロッジ長蔵まで」と答えると、「もうすぐバスくるから乗っていったら?」とのこと。田舎特有の鷹揚さでのお誘いなので、お言葉に甘える事にしました。結局、そこから5分もかからずに到着。
少し休んでそろそろ出発するつもりで出発前にかけておいたバイクカバーを取ってみたら、なんと、ヘルメットの中側に水が溜まっていました。どうやら、バイクカバーの切れ目から侵入したもののようです。急いで水を取り出しありったけの乾いた布(衣類も含めて)で水気を吸い取り、何とかかぶれるような状態になったところで、11時過ぎに出発。
帰りは、金精道路で丸沼高原まで行って、昔のアルバイトの時の小屋主が始めたペンションを訪問して、挨拶。
その後、どちらから帰るか迷った末、沼田から関越自動車道で 赤城高原SA -> 高坂SA -> 川越IC 経由で、夕方6時過ぎに 無事帰宅しました。
2010年の尾瀬バイク旅は、以上です。